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2019/7/9~8/3
IG Photo Gallery 企画展

海原力展「WHISPERING HOPE」


 海原はアメリカの国際写真センター、ハートフォード大学で写真を学び、現在はニューヨークを拠点に活動する写真家です。
 「WHISPERING HOPE」はアメリカ各地を長距離バスで旅し、撮影したシリーズ。2011年から2016年にかけて、とくに目的地を設けずに、約20回の旅を繰り返してつくりあげた写真群です。2017年にアメリカで刊行された同名の写真集は、マドリードで開かれた国際写真祭「フォト・エスパーニャ」の「THE BEST PHOTOGRAPHY BOOK OF THE YEAR」の私家版カテゴリーでspecial mention(特別賞)を与えられました。今回の展示では、走るバスの窓外の風景を中心に、バスターミナルの写真を加えて構成しています。
 アメリカは多様な民族、文化、バックグランドを持つ人々の集合体であり、そこから時代を先取りする政治体制や社会制度、生活様式や文化作品を育んできた国です。これまでも数多くの写真家がアメリカを旅し、写真を撮影してきました。その中にはロバート・フランク『アメリカンズ』、スティーヴン・ショア『American surfaces』、アレック・ソス『Sleeping By the Mississippi』などの名作があり、この作品もその系譜に連なるものです。
 とくに海原の場合、移動手段に長距離バス(グレイハウンドバス)を選んだことに大きな意味があります。クルマを持たない人々が主な乗客となっている長距離バスは、格差社会の現実を載せて広大な大地をひた走る存在だからです。
 「WHISPERING HOPE」はアメリカにおけるドキュメンタリー・フォト(記録写真)の伝統に則りつつ、いま、写真に何が可能なのかという問いを胸に撮影した作品だと言えるでしょう。海原にとって日本初個展となる本展覧会にご期待ください。

 なお、7月20日(土)には海原力とタカザワケンジ(写真評論家、IG Photo Galleryディレクター)によるトークショー(入場無料)が行われます。

タカザワケンジ(写真評論家・IG Photo Galleryディレクター)

■作家プロフィール
海原力(うみはら・ちから)
 1974年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、渡米。国際写真センター(ニューヨーク)で学んだ後、ハートフォード大学(コネチカット)で写真を専攻。MFA(美術修士号)を取得。2018年、マドリードの国際写真祭「フォト・エスパーニャ」の「THE BEST PHOTOGRAPHY BOOK OF THE YEAR」で、初の写真集『WHISPERING HOPE』が私家版カテゴリーのspecial mention(特別賞)を獲得。現在、ニューヨークを拠点に写真家として活動している。

■会期
2019年7月9日(火)~8月3日(土)
時間:12:00~20:00
  (7月16日は19:00、最終日は17:00まで)
休廊:日曜日・月曜日・木曜日


■トークセッション
2019年7月20日(土)18:00~19:00
 海原力×タカザワケンジ(写真評論家、IG Photo Galleryディレクター)
 予約不要、入場無料
 先着約25名。立ち見になる場合もありますので、ご了承ください。



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