2022/2/8~3/26
IG Photo Gallery企画展
小松浩子展「Channeled Drawing」
小松は写真、映像作品を使ったインスタレーションが国内外で高い評価を受けている作家です。2018年に木村伊兵衛写真賞を受賞。その後も精力的な活動を続け、2021年から2022年にかけてだけでも、8mmカメラで撮影した無音の映像と写真作品とで構成した「SILENT SOUND」(MEM、恵比寿)、ニューヨークのアートスペースdieFirmaでの展示(「Sincerity Department Loyal Division」)とワークショップ、そして今年の1月からはマサチューセッツ州のデイヴィス美術館(ウェルズリー大学内)で個展「Creative Destruction」を開催しています。また、展覧会活動以外では、ハンドメイドによる少部数の写真集の制作や、Koji Nakamuraの「ghost」のミュージックビデオを監督するなど活動の領域を広げています。
小松がIG Photo Galleryで展示を行うのは2019年の「生体価格保証」に続く2度目となります。「生体価格保証」では銀塩写真プリントに埋めつくされた空間に映像がプロジェクションされるインスタレーションを行いましたが、今作では、新たな形式による小松作品をご覧いただきます。
キーワードは3つ。「殺人事件現場」「フロッタージュ」「フォトグラム」です。広報用画像として用意したのは写真作品。星の瞬きにも鉱物の輝きとも取れる光と、深い闇とが見て取れます。それはあたかも空間的あるいは時間的に遠い場所から送られてきたメッセージを連想させます。また、イメージには、ある連想が働く数字と西暦年、そして、手がかりとなる英文コメントが付されています。これらが何を意味するのかを考えるのも鑑賞者に与えられた楽しみです。
作品は額装され、1点ずつじっくりと向き合っていただく予定です。目に見えるものを手がかりに想像を働かせることで、作品に込められた謎を解いてほしいと思います。
これまで過剰なまでに空間を写真で埋めつくしてきた小松が、その情報量をあえて下げることで表現しようとしているものは何なのか。作品を前に考えていただく機会になるはずです。
IG Photo Galleryの小さな空間を生かした、小松浩子の新たな挑戦にご注目ください。
** 安心してご覧いただくため、空気清浄機、手指の消毒薬の設置などの感染対策を行います。
■作家プロフィール
小松浩子(こまつ・ひろこ)
1969年神奈川県生まれ。2009年の初個展以降、国内外で個展、グループ展多数。2010~2011年、自主ギャラリー・ブロイラースペースを主催、毎月個展を開催。2015年、ドイツのフォトフェスティバル「The 6th Fotofestival」で発表された作品が、イタリアのMAST財団に収蔵される。2017年、「人格的自律処理」(ギャラリーαM)と、イタリアのMAST財団の「THE POWER OF IMAGES」の展示作品「The Wall from 生体衛生保全」により第43回木村伊兵衛写真賞を受賞。2019年に「DECODE/出来事と記録-ポスト工業化社会の美術」(埼玉県立近代美術館)に出品。2021年、ニューヨークのdieFirmaで個展「Sincerity Department Loyal Division」を開催。デイヴィス美術館(ウェルズリー大学内)で個展「Creative Destruction」を開催中。写真集に『Exhibition History vol.1』(paper company)ほかがある。
■会期
2022年2月8日(火)~3月26日(土)
時間:2月26日まで、12:00~20:00
3月1日以降、12:00~19:00(最終日は18:00まで)
休廊:日曜日・月曜日・祝日
■トークセッション(無観客)
2月12日(土)18:00~
小松浩子×タカザワケンジ(写真評論家、IG Photo Galleryディレクター)
You Tubeにて、配信中。
チャンネル名:IG Photo Gallery