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2018/3/22~4/20
IG Photo Gallery オープン記念

勝又公仁彦展 Skyline



 勝又公仁彦は「サイト―場所と光景:写真の現在 2」(東京国立近代美術館)ほか、国内外の展覧会で作品を写真、映像、インスタレーションを発表してきました。
 「Skyline」は勝又の写真作品のなかでもよく知られた代表作の1つです。
 世界各地の都市で撮影されたこのシリーズは、空(自然)と都市(人工)との関係性を写真によって模索した作品です。パノラマサイズの大判プリントは見る者を長時間作品の前にたたずませる魅力を持っています。
 今回はこれまで発表してきた作品のなかから選んだ10数点に未発表作品を加えたものになります。また会場では2月に出版される写真集をはじめ、ポートフォリオなど勝又作品を知るうえでの資料も閲覧していただける予定です。

 なお、今回の展示はIG Photo Galleryのオープニング展となります。
 東銀座のささやかなスペースではありますが、写真表現に意欲的な作家たちの作品を紹介するために開設いたしました。
 オープニング展を飾る勝又公仁彦氏は、京都造形芸術大学准教授を務めるなど、写真教育に携わり、写真表現の可能性を追求している作家としてこのギャラリーのオープニングにふさわしいと考え、展覧会をお願いしました。
 写真による芸術表現に初めて触れる人から、新しい写真表現をめざす写真作家志望者まで、写真作品を見ること、撮ることに興味のあるすべての人にとって刺激を与えることでしょう。

■本展会期中出品中の展覧会
「写真都市展 ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち」
  (21_21 DESIGN SIGHT、東京、6/10まで)
「PCSアーカイブ#1 勝又公仁彦《Phases s.v.》《Unknown Fire》」
  相模原市民ギャラリー、神奈川、4/1まで)
個展「Perceiving Right-Angled planes」
  (MEDIA SHOP entrance、京都、2018年4月3日~22日)
    http://www.media-shop.co.jp

■2月発行の写真集
「Right Angle -white next to white-」(Media Passage)
 レプション、トークセッションの際、販売とサイン会を行います。

■作家プロフィール
勝又公仁彦(かつまた・くにひこ)
 静岡県出身。早稲田大学法学部卒業、インターメディウム研究所修了。多様な被写体のもとで「時間」「光」「場所」「空間」「認知」などをサブテーマに、常に写真の構造に触れる作品を展開。日常の中に現象しながらも知覚されることの無かった世界を掬い取ることで、観る者を新たな認識へと誘うとともに、歴史・社会・文明への批評的な暗喩を込めた作品制作を続けている。主な展覧会に「サイト―場所と光景:写真の現在 2」(東京国立近代美術館、2002年)「Natura Morta 」(Leica gallery Solms、2006年)「Dwelling」(世田谷美術館主催、2008年)「都市の無意識」(東京国立近代美術館、2013年)「あいちトリエンナーレ2016」(岡崎康生会場、「トランスディメンション ?イメージの未来形」、愛知、2016年)「写真都市展 ?ウィリアム・クラインと22世紀を生きる写真家たち」(21_21 DESIGN SIGHT、2018年)など。主な受賞に「さがみはら写真新人奨励賞」(2001年)、「日本写真協会新人賞」(2005年)。東京国立近代美術館、世田谷美術館、沖縄県立博物館・美術館など国内外の主要なコレクションに作品が収蔵されている。京都造形芸術大学准教授。多摩美術大学非常勤講師。
http://www.kunihikokatsumata.com/index.html

■展覧会に寄せて
「世界の地と図を反転する」   文=タカザワケンジ(写真評論家)
 横に長く伸びたパノラマ画面のなかに現れた直線は凹凸を繰り返し、あるリズムを刻んでいく。
 勝又公仁彦の『Skyline』は現代の都市が生み出した新たな景観の意味を私たちに問う。
 Skyline(スカイライン)というタイトルの通り、画面に写っているのは空と地上の境界である。
 だが、私たちがその説明から思い浮かべる地上と空のまっすぐな境界──地平線(horizon)──はここにはない。
 世界各地の都市で撮影された勝又の『Skyline』に写されているのは「空際線(くうさいせん)」「(都市の建物などの)空を背景とした輪郭」(ともに『ランダムハウス英和大辞典』小学館)である。
 しかし、私自身は「空形線」という造語を思い浮かべた。高層建築が連なる都市稜線は、写真のなかでシンプルな線に還元され、空を侵食し、その形を描き変えているようにも見えるからだ。三次元を二次元に変換する写真は、地と図の関係を揺さぶる力を持っている。
 勝又にはほかにもカメラの構造そのものを部屋と窓になぞらえて制作した「Hotel Windows」、などさまざまな写真作品を発表している。そのいずれにも共通するのは「世界」をどう見るかという視点に対する思考の積み重ねである。『Skyline』にはそうした勝又作品の特徴が端的に表れている。
© 2018,Kenji Takazawa

■会期
2018年3月22日(木)~4月20日(金)
 時間:12:00~20:00
 休廊:日曜日・月曜日

■レセプション
3月22日(木)19:00~
 BLACK HAT MANによるパフォーマンスを予定しています。

■トークセッション
4月14日(土)18:00~
 勝又公仁彦×タカザワケンジ(写真評論家、IG Photo Galleryディレクター)
 予約不要、入場無料
 イベントは、先着約25名。立ち見になる場合もありますので、ご了承ください。

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