山本 渉展

2018/6/12~6/30
IG Photo Gallery 企画展

「エイリアンズ」

 IG Photo Galleryでは2018年6月12日(火)より山本渉展「エイリアンズ」を開催いたします。
 山本渉は写真を使った作品を発表してきた写真家、アーティストです。多摩美術大学大学院在学中の2010年から作品発表を始め、2013年の「線を引く」展と同名写真集を発表したことで注目されました。その後、2007年から実験を開始していた物体に高電圧をかけて発光させるキルリアン写真という技法を使い植物を撮影した「光の葉」「プラタナスの観察」、男性用自慰器具の内側に石膏を流し込んで得たオブジェを撮影した「欲望の形」、凍らせたフィルムをピンホールカメラにセットし、解凍と露光を同時進行させて得たイメージに、冬から春への変化を重ねた「春/啓蟄」、布を支持体に日光写真の原理を使いしわを青い影として記録した「しみ そめ しわ」などコンセプチュアルな作品を発表してきました。それらに共通するのは、私たちもその一部でありながら、意識することなく眺めている「自然」について想像力を喚起させる作品だということです。
 今回の展覧会のテーマは、山本がこれまでもしばしばモティーフとして選んできた植物です。森の中に設置した大型カメラから長いシャッターレリーズを引き、木々の間に隠れた自分自身に向けてシャッターを切った「線を引く」からこれまで、山本はつねに植物の存在に関心を持ち続けてきました。

 山本は今回の作品の制作にあたり、植物についてこう述べています。
「植物は運動しない代わりに天体の働きや気象に身を委ね、動物にとっての内臓ともいえる葉を大胆にも外部に露出したエイリアンである」
 植物はエイリアンである──今回の「エイリアンズ」展に出品する作品で山本が取った手法は、植物が群生する畦や野原の土を掘り起こし、手製のピンホールカメラを埋め、土を元通りにならし写真を撮影するというものでした。ピンホールの開口部分は天に向けられ、太陽からの光を受け、感光します。山本はピンホールカメラを、つねに光を求めて太陽へと向かって成長していく植物に擬態させたといえるでしょう。
 植物は光合成をするためにつねに太陽を向いています。写真もまた光がなければ写ることはありません。したがって、ここには写真をつくりだすカメラが植物そのものになりすまして撮影したイメージが展開されているのです。私たちは写真を通して「植物の眼」を得たと言い換えることもできるでしょう。人間とはまったく違う特性を持った、異質なエイリアンが見る光景とはどのようなものか。ぜひ展覧会場でご覧下さい。
 なお、展示期間中にはIG Photo Galleryディレクター、写真評論家のタカザワケンジと作家との対談が予定されています。新たな写真表現に挑む若きアーティストの挑戦にご期待下さい。


■作家プロフィール
 山本渉(やまもと・わたる)

 1986年栃木県出身。2011年、キヤノン写真新世紀2011佳作受賞。2013年、多摩美術大学大学院博士前期課程修了。都市に生きる現代人にとっての自然の考察や、写真というメディアによる自然表象の方法を模索し、多様な自然という言葉の 意味を紐解き記録することを主題としている。
 主な個展に「線を引く」(photographers' gallery & KULA PHOTO GALLERY、2013年)、「プラタナスの観察」(Yumiko Chiba Associates、2013年)、「春/啓蟄」(Yumiko Chiba Associates、2014年)、「欲望の形 -器の濃き影-」(NADiff Gallery、2014年)、「しみ そめ しわ」(Yumiko Chiba Associates、2016年)ほか。主なグループ展に「キヤノン写真新世紀2011受賞者展」(東京都写真美術館、2011年)、「TOKYO2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS 9」(HILLSIDE TERRACE/HILLSIDE FORUMほかパリでも展示)、「TOKYO2020」(Christophe Guye Galerie、チューリッヒ、2014年)、「LUMIX MEETS / TOKYO 2020 By Japanese Photographers #2」(IMA CONCEPT STOREほかパリでも展示、2014年)、「New Japanese Photography」(DOMED GALLERY、ロンドン、2015年)、「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」(上野公園、2017年)ほか。
 出版物に『126 POLAROID さよならからの出会い』(共著、赤々舍、2010年)、写真集『線を引く Drawing a Line』(MCV MCV、2012年)、作品集『欲望の形-器の濃き影』(Yumiko Chiba Associates、2014年)がある。 http://wataruyamamoto.jp

■会期

2018年6月12日(火)~6月30日(土)
時間:12:00~20:00(最終日は17:00まで)
休廊:日曜日・月曜日・木曜日

■オープニングレセプション

6月12日(火)19:00~20:00

■トークセッション

6月23日(土) 18:00~19:00 山本渉×タカザワケンジ(写真評論家、IG Photo Galleryディレクター)
予約不要、入場無料
イベントは、先着約25名。立ち見になる場合もありますので、ご了承ください。