IG Photo Gallery Exhibition - MOVING IMAGES  


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2023/2/7~2/22
IG Photo Gallery企画展

IG Photo Gallery Exhibition - MOVING IMAGES

  IG Photo Galleryでは2023年2月7日(火)より「IG映像展」を開催いたします。写真専門ギャラリーとして2018年に設立されて以来、初の映像展となります。
 写真と映像は隣接する表現領域として長く深い関係を持ってきました。さらに現代では写真用カメラに動画機能が追加され、携帯電話で写真と動画どちらも撮影できるなど、ハード面での合流が進みました。また、SNSでは写真、動画のどちらも投稿できるため、両者の垣根は年々低くなっています。一般の利用者にとって、いま目にしている光景を写真で撮るか、動画で撮るかを判断することは、日常的に行っている行為ではないでしょうか。
 写真作品を中心に制作してきた作家にとっても、動画は以前にも増して重要な表現方法となっています。写真展に動画が展示されることは珍しくなく、写真と動画が相互に乗り入れる作品も登場しています。
 IG Photo Galleryでも過去に井上雄輔(「NO PARKING」、2019)、小松浩子(「生体価格保証」、2019)、勝又公仁彦(「わたくしのいもうと 」2020)、金村修(「God Only Speed Knows」、2022)の各個展で写真と映像とを組み合わせた展覧会を行ってきました。
 写真ギャラリーを標榜する当ギャラリーが映像展を行うのも、写真と映像とが接近してきた現代だからこそと言えるでしょう。そのうえで、写真の歴史、文化の文脈から映像作品を見る機会を設けたいというのがこの企画展の狙いです。
 今回展示する5名はいずれも写真作品を中心に発表してきた作家です。写真と映像の両方で作品をつくる作家は、その作品ごとに「なぜ写真なのか」「なぜ映像なのか」という問いが投げ掛けられます。写真ギャラリーで映像作品を見ることは、写真と映像との差異について考える機会になるのではないでしょうか。
 今回の展示ではスクリーンは1面のみ。数席の椅子を用意し、映像に集中してご覧いただきます。

タカザワケンジ(写真評論家・IG Photo Galleryディレクター)

** 安心してご覧いただくため、空気清浄機、手指の消毒薬の設置などの感染対策を行います。

■出品作品
◎金村修「Physical Psycho Education」
 2019、デジタル、9分48秒
*フランス在住のコンテンポラリーダンサー、カミーユ・ミュテル(Camille Mutel)についてのショートフィルム。身体と都市、静と動といった相反するイメージがぶつかりあい痙攣的な美が生じる。2019年11月に横浜美術館レクチャーホールで、12月にIG Photo Galleryで各1日だけ開催された「Experience in Material Film collection 2」で上映された。
 なお、この映像展と同時期にMEM(恵比寿)で個展「Can I help me?」(恵比寿映像祭地域連携プログラム)が開催されます。そちらにもぜひ足をお運びください。


◎小松浩子「生体価格保証
 2019、8mmフィルムをデジタル変換、7分28秒
*小松浩子は主に銀塩写真のモノクロプリントによるインスタレーション作品を発表してきました。小松が2019年にIG Photo Galleryで開催した個展「生体価格保証」ではインスタレーションに映像をプロジェクションするという手法を初めて採用しました。今回の展示では当時プロジェクションした映像を、単独の作品としてホワイトウォールに投影します。「生体価格保証」後のMEMでの個展「SILENT SOUND」(2021)、2022年に金村修、梅津元と創立したアーティスト・コレクティブModulation 8での活動との関連性を探るうえでも興味深い上映です。

◎遠藤祐輔「Street Singularities」
 2023、デジタル、5分
*遠藤はIG Photo Galleryでの個展「Post DecisiveMoment」(2021)で動画から切り出した写真を通して、写真美学の1つである「決定的瞬間」への疑いと、新たな美学の発見を提起しました。今回は、監視カメラ、ドローン、人工衛星、誰かのスマートフォンによってすべてが記録されている状況の中で、ストリートスナップの写真家がそれらの視点によってどのような影響を受けるのかを考察する作品「streetsingularities」を上映します。


◎タカザワケンジ「Someone shot on the street」
 2023、デジタル、約10分
*Photo Gallery FLOW Nagoya、IG Photo Galleryでの個展「someone's watching me」では、スローシャッターで撮影した都市の風景から、人物のブレた顔だけを抜き出すという方法で現代におけるストリートスナップの倫理と可能性について考察しました。今回の作品では「someone's watching me」制作の過程で撮影した写真、動画をもとにストリートを「見る」視点について短い映像作品を制作します。


◎石田省三郎「unknown diary」
 2023、デジタル、時間未定
*石田は2018年にIG Photo Galleryを設立して以降、精力的に写真作品を制作し、年1回のペースで新作を発表してきました。2021年からは動画作品の制作も開始し、実験映画の1ジャンルである日記映画をつくり続けています。週に15~30分程度のショートムービーをつくり、その積み重ねをもとに再編集したのが、今回上映する長篇作品です。作家の個人的体験と社会の動きとがどのように関わり、見る者に何を想起させるのかにご注目ください。


■作家プロフィール
◎金村修
1964年東京都生まれ。写真家。1989年、東京綜合写真専門学校在学中の1992年、オランダの写真展「ロッテルダム・フォト・ビエンナーレ」に作品が選出される。1993年、東京綜合写真専門学校卒業。同年、最初の個展を開催。1995年、写真集『Crash landing』刊行。1996年、ニューヨーク近代美術館「New Photography12」に選出。1997年、東川町国際写真フェスティバル新人作家賞受賞。2000年、土門拳賞受賞。2014年伊奈信男賞受賞。主な写真集に『Happiness is a Red before 』(2000)、『SPIDER'S STRATEGY』(2001)、『I CAN TELL』(2001)、『ECTOPLASM PROFILING』(2014)、『CONCRETE OCTOPUS』(2017)、『Lead-palsy Terminal』(2021)ほか。著書に『漸進快楽写真家』(2009)、『挑発する写真史』(タカザワケンジとの共著、2017)、映像論集『Beta Exercise: The Theory and Practice of Osamu Kanemura』(2019)ほかがある。2022年に梅津元、小松浩子とアーティスト・コレクティブModulation 8を創立。

◎小松浩子
1969年神奈川県生まれ。2009年の初個展以降、国内外で個展、グループ展多数。2010~2011年、自主ギャラリー・ブロイラースペースを主催、毎月個展を開催。2015年、ドイツのフォトフェスティバル「The 6th Fotofestival」で発表された作品が、イタリアのMAST財団に収蔵される。2017年、「人格的自律処理」(ギャラリーαM)と、イタリアのMAST財団の「THE POWER OF IMAGES」の展示作品「The Wall from 生体衛生保全」により第43回木村伊兵衛写真賞を受賞。2019年に「DECODE/出来事と記録-ポスト工業化社会の美術」(埼玉県立近代美術館)に出品。2021年、ニューヨークのdieFirmaで個展「Sincerity Department Loyal Division」を開催。2022年、デイヴィス美術館(ウェルズリー大学内)で個展「Creative Destruction」を開催。写真集に『Exhibition History vol.1』(paper company)ほかがある。2022年に金村修、梅津元とアーティスト・コレクティブModulation 8を創立。

◎遠藤祐輔
1985年宮城県仙台市生まれ。東京芸術大学美術学部先端芸術表現科卒業後、大阪大学言語文化研究科博士前期課程在籍中。2016年、「第14回写真1_WALL」審査員奨励賞(高橋朗選)、「第15 回写真 1_WALL」ファイナリスト。2019年、「写真新世紀 2019」優秀賞受賞。個展に「目に置いていかれないように」(ニコンサロン/東京・大阪、2018)、「「Post Decisive Moment」(IG Photo Gallery/東京、2021)写真集に『幽霊の証言』『長井さんの話』『Timeless Island』(以上DOOKS)『Post Decisive Moment』(paper company)がある。

◎タカザワケンジ
1968年前橋市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。写真評論、写真家インタビューを雑誌に寄稿。写真集の編集、写真についての展示など、写真のアウトプットに対する実践も行っている。著書に『挑発する写真史』(金村修との共著)、『偶然の写真史I・II』ほか。ヴァル・ウィリアムズ著『Study of PHOTO 名作が生まれるとき』日本版監修。個展に「someone's watching me」(Photo Gallery FLOW Nagoya、2021、IG Photo Gallery、2022)ほか。IG Photo Galleryディレクター。

◎石田省三郎
1946年岐阜県生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。1973年、弁護士登録。沖縄・松永事件などの弁護に携わる。著書に『「東電女性社員殺害事件」弁護留書』など。弁護士業務のかたわら、2017年、京都造形芸術大学通信写真コースを卒業。2018年、福島第1原子力発電所事故により「帰還宅困難区域」に指定された地域をJR常磐線代行バスから撮影した写真集『Radiation Buscape』(デザイン鈴木1誌+山川昌悟、解説タカザワケンジ)を刊行。2021年、神奈川県美術展・写真部門準大賞受賞。個展に「Crossing Ray」(Hiju Gallery、大阪、2019)、「Integral」(IG Photo Gallery、2021)、「TSUKIJI JONAI」(PHOTO GALLERY FLOW NAGOYA、2022)ほか。IG Photo Gallery主宰。

■会期
2023年2月7日(火)-22日(水)
時間:11:00~19:00
休廊:日曜日・月曜日・祝日
*各作品の詳細な上映時間、トークなどは、WEBサイト、FB等でお知らせいたします。

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